話せばわかる

 四月廿三日、雨。

 今日は都内の弊社本部で、光文社が發行する週刊誌「F」の編輯長A氏の訪問を受けた。
 小生はテレビはおろか、週刊誌も殆ど讀むことがないので、これまで「F」も名前だけしか識らなかつた。

 話しをしてみればA氏、責任を持つ人獨特の、一本筋の通つた人物であつた。

 何ごとも話してみないことには分からない。



 であるからこそ。であるからこそ、である。

 話したが爲めに時として、目的を失することもある。

 五一五事件で蹶起した青年將校は、人をして“容赦ない”と云はしめてまでも、目的遂行に殉じたのではあるまいか。

三上卓先生曰く、
『食堂で首相が私を見つめた瞬間、拳銃の引き金を引いた。彈がなくカチリと音がしただけでした。すると首相は兩手をあげ「まあ待て。さう無理せむでも話せばわかるだらう」と二、三度繰り返した。
それから日本間に行くと「靴ぐらいは脱いだらどうぢや」と申された。私が「靴の心配は後でもいゝではないか。何のために來たかわかるだらう。何か言ひ殘すことはないか」といふと何か話さうとされた。その瞬間、山岸が「問答いらぬ。撃て。撃て」と叫んだ。黒岩が飛び込んできて一發撃つた。私も拳銃を首相の右こめかみにこらし引き金を引いた。するとこめかみに小さな穴があき血が流れるのを目撃した」(裁判證言記録)

 亦た、山岸宏先生囘想にて曰く、
『「まあ待て。話せばわかる。話せばわかるぢやないか」と犬養首相は何度も云ひました。若い私たちは興奮状態です。「問答いらぬ。撃て。撃て」』と言つたんです」と。
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by sousiu | 2010-04-24 19:46 | 日々所感

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