小生を誤解すること勿れ

 本日は、囹圄の身となつてゐる某氏に面會する爲め、横濱拘置所へ。
 この待ち合ひ室の空氣は、何度來ても馴染めない。
 安否を氣遣ふ御家族や、或いは既に判決を下され、久しき訣別を餘儀なくされた御家族が、僅か十分の時間を求め、こゝに長時間待つてゐる。さういふ空間だ。

 某氏には、既に面會者のあつたことを、暫し待たされ擔當官より報された。手違ひであらうか、仕方ない。今日は差入れだけとして、別日に出直すほかない。


 先程は、コアマガジン社から電話取材を受けた。「海老藏事件」について、とか。
 小生、テレビなるものを全く見ないし、新聞の社會面も餘り見ないので、凡そ「海老藏事件」を識らない。
 記者に一々、事件を語つて教へていたゞいたのだが、本音を云へば、如何でも宜しい事件だ。・・・不味いかな。




 さて。備中處士さんより御指摘受けるには、「變態」は、所謂る「H」の語源である、と。
 それならば適切に缺ける。「奇人」であると改めねばなるまい。
 「奇人」といふのであれば、おそれながら、當日乘にコメントされる御方達は、小生の識る範圍に於て、殆ど「奇人」だ。ひとり神代文字を研究する御仁。宮城縣の狐に憑依された御仁。門人と共に血書を認めんとして、其の血が乾くので更らに血を絞り出血多量に陷らんとした御仁。オリンピツクの候補生といふエリートであり乍ら全てを放擲した御仁。抗議も度を越し拳銃を亂射してしまつた御仁。運動と聞けば鳥取から何度も日歸りで往復される御仁。何年も御門人と驛前で掃除を續けられる御仁。何人も逃げ出す話しの長い御仁。青年消防團の團長・・・あ。この場合ひは別に奇人ではないか・・・。いかゞはしき宣傳のコメントをクリツクしてしまつた御仁、いや、この場合ひも違ふ。失敬々々。

 これ以上詳らかに書くと、小生の身邊が危ふくあるので遠慮しておくが、兎に角、さうした奇人變人の坩堝だ。だが、國家の過渡期に必須たるは、いつも、奇人だ。
 奇人は何故か大いなる力を蓄へてゐる。それも、時代の要請さへあれば、途轍もないほどの力を祕藏してゐる。
 一方、附和雷同、因循姑息、保守保身の人達は、泰平の世に於ける協力者ではあるが、一度び深憂大患の世となりたるに、得てして何ら役には立たぬものである。
 然るに奇人は愛す可き御方である。こと我が陣營の長老には、斯樣な御仁が多い。誰れか、困難を覺悟のうへ、右翼の奇人變人傳を草稿する者はをらぬのか。

 ところで、お斷わりする必要がある。小生のことだ。嘘と思はれるかも識れないが、小生は奇人と呼ばれたことがない。寧ろ、まともな漢(をのこ)と思はれてゐるやうだ。これは世間の評價として、極めて正鵠を得てゐるものと判斷し、何人も一聽する價値がある。
 即はち、小生は、愛される可き側の人でなく、愛す可き側の人だ。其の名の一文字に象徴されるの如く、博愛主義者だ。ゆめ、これを忘れて河原を奇人呼ばはりしなさるな。
[PR]

by sousiu | 2010-12-21 21:53 | 日々所感

<< 平成廿二年も、光陰矢の如し 變人だらけ >>