箱根に行きました

 今日は、大行社の新年總會に出席する爲め、箱根の湯本富士屋ホテルへ向かつた。

 全國の諸先生や諸先輩で埋め盡され、アトラクシヨン(ていふのか能く分からないが)も豪華であつた。

 祝辭の先生による、清水行之助先生の御話しも良かつた。
 今尚ほ、清水行之助先生の思想と理念を受け繼ぐ大行社諸先輩には敬意を表してゐる。
 やはりそれは大變なことだと思ふのである。


 我が陣營は近年誕生した新興勢力ではない。況してや亞流の勢力ではない。
 所謂る、「新」保守などと自稱して或いは呼ばれて、得意顏の人たちは其の名の通り、新興勢力である。
 我が道統は、字の如く“道”である。求道者たらんとする者は、師に學問や行動を教はる而已ではない。生き方も教はるのだ。
 もう少し云へば、人、志を立て道に在らんとすれば、必ず受難の宿命を負ふのだ。例へば時間を避く、餘計に出費する、といふ小さきことから、大きなことでは命を落とすことさへある。道にない人からみれば、それこそ受難と觀て哀れむことであらう。
 空手だつて、拳鬪だつて、落命する人がまゝある。これらも道だ。その道さへ足を蹈み入れねば、月謝を拂ふことも、練習に時間を避くことも、身體を酷使することも、顏に傷を付けることも、試合で負けて泣くことも、或いは落命するやうな受難も無かつたのだ。だが受難を敢へて承知で道に足を踏み、而して只管ら道を極はめんと歩む人を小生は素晴らしいと思ふ。渾名ナシ兄も御詳しい、矢吹丈なぞ一卷から廿卷まで受難の連鎖だ。

 道に在る者にはそれゞゝに師がある。それは假令物故者でも構はない。而、その師なる御方は、我らに比する可からざるほど多くの受難を乘り越えて來た偉大なる先進だ。
 師の背中をみる者は、例へば己れに受難の振り注ぐ際、師を鑑み、師の乘り越えた勇氣を己れの勇氣に代へることが出來るであらう。勇氣ばかりでない、乘り越える方法だつて見せてくれてゐる筈だ。見るか見ないか、は本人の選擇だ。

 師の背中をみるー、とはさういふことだ。從つて、正しく道統を繼いでゐると云ふことは、先人の價値觀を共有するといふことだ。
 ネツト社會にはそれが不足する。ネツトで右翼と稱される住民に缺けてゐるものは、それだ。ネツトは近年誕生した世界であるから、それは仕方の無いことかも知れない。だがその、弱點を引いても餘りある缺點がある。效果のほどは別として、攻めにある時は夢境の如くあるが、一旦、受けに廻ると餘りにも惰弱なのだ。ネツトで惡口や批判されただけで恰も大災難に遭遇したやうに錯亂したり、動搖する。それしきの災難を克服出來ずにいかゞする。是非ともこれを克服する堅固な志操を築いて、次代に繼承していたゞきたいと思ふのだ。
 保守を定義するのは難しいであらうが、「新」でなく、本物の保守の御仁は、本道に腰が座つてゐる。近眼視や亂視の持ち主ではない。それは千里眼とも云ふべき眼力である。さうした人がネツトを使用し發言することもあるが、叩かれてもそれを小難と云はず、微難とも云はず、おそらく難とも思うてゐないであらう。大上段の構へを崩さず、泰然自若のまゝであるから、ようく文章を追つていけば、誰れでもすぐ判る。昨日、「九段塾」に貼り付けられてゐた備中處士さんによるURLに從つて某掲示板を讀み耽つてゐた。途中で已む無く中斷したので、現在は識らないが、過去の論爭はまつたく讀むに耐へない發言者が多かつた。
 

 我々は確乎たる道統を有してゐる。我が先進は、小生の御會ひする能はなかつた先進と相ひ繋がり、その先進は亦た、その先の先進と相ひ繋がつてをられ、それは連綿と繋がつてゐるのだ。
 
 但し、啻に我が陣營の住民であるといふことが、即ち、道統を繼ぎ、先進と氣脈が通じてゐる、といふことにはならない。何年居ようが、歩みを止めたまゝでは何にもならんのである。
 道に生くる者は、その世界の住民であることで自己到達と考へてはならない。何處ぞの門人と認められた、名刺を作つた、街宣活動に參加した、といふ丈で道統を繼いでゐる、と考へるならば、それは道に對する甚しき誤謬であり、先進に對する最大の侮辱である。
 歩くが爲めの道であるからして、小生、それを安む爲めに道がある、とは考へない。
 小生は求學求道といふ言葉が好きである。
 未だ至らぬ小生にとつて、小生の現時點での「求學」とは、如何なる座右の書と巡りあふか、といふこと。「求道」とは、如何なる辭世の句を詠む、といふことだと考へてゐる。
 

 

 樂しき箱根での新年總會も終はり、中締めとなつた。近しき諸兄は皆、宿泊し、明朝歸へるといふ。小生は失禮し、機關紙の執筆を行はなければならない。
 脱出困難と思はれたが、脱出と云ふよりも、脱走を試み、部屋の鍵を御返へしして、無事歸還。

 愈々、執筆も佳境を迎へた。もとゐ、苦境を迎へた。汗。
 歩き續けるのも、大變なことなのだなア。とほほ(平澤次郎翁風)
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by sousiu | 2011-01-27 04:42 | その他

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