もつこす歸へる

 昨日夕方、熊本の友、鈴木田舜護君が横濱を發ち、歸路へと向かつた。
 彼と一ヶ月間、起居を共にしたわけだ。


 先月十一日、小生は所用ありて朝になつてしまつた爲め、地震發生時は寢てゐた。
 激しき搖れに起こされ、布團から出でるも壁を頼らねば歩行すら困難であり、落下する書籍やら備品やらを見ながら如何ともし難き状態が暫く續いた。
 多少搖れが收まつてきたころに、表へ出たのであるが、その時、玄關先で自轉車に跨がり「こんにちは」と聲を掛けて來たのが鈴木田君だ。小生は街頭の搖れる中で、彼れの訪問を受けたのである。これは本當の話しだ。
 小生にとつて、彼れは招かざる客の如き印象を與へた。何せ大災害を引き連れて來たのである。
 雨男の話しは聽いたことがあるが、地震男の存在は嘗て拜聽したことがない。彼れは招かざる客だ。

 尤も、彼も又た不運と云はざるを得ない。
 横濱で日雇ひ勞働を計畫してゐたが、震災の爲め、仕事はなくなり、更らに九州にをれば心配する必要の無かつたことが出て來た。餘震、計畫停電、物不足、風評被害、小生の鼾と寢言・・・。彼れには、多少の同情を寄せねばなるまい。


 而して、青年は昨日、大阪へ向かふ愛倭塾・山口秀明會長の知人の車に便乘して神奈川を發つた。
 自衞隊を脱柵してこの道に入り、二年數ヵ月。幾度か世間を騷がせたかの若き求道者が、果して風雲兒であるのか、將た又たたゞの地震男であるかは、彼れの志と今後の活躍次第だ。

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※寫眞は、もつこす こと 鈴木田舜護君。・・・とその自轉車。
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by sousiu | 2011-04-10 10:23 | 報告

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