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曰く「保守の定義とは」

『伝統と革新』(「たちばな出版」發行)十六號を讀む。
「国難と維新運動」と題する各氏の論文が特集されてあつた。

 福田邦宏兄、同書に曰く、
「どの国にも歴史伝統文化はあるだらう。それが長期か短期か、優れてゐるかゐないかにかかはらずである。それを一言で表すならば『国体』であり『国振り』である。そしてこれを擁護せしめんとする志望や考へを『保守』と呼ぶのである。

 然らば、日本に於いての『国体』とは、天皇を中軸とした歴史伝統文化であることから、日本の保守派とは、敬神・崇祖・尊皇の念篤くなければならない。神武帝建国の以前、つまり神代より完成されたる吾が国体があることからも、前記した定義に疑義を挟む余地はあるまい」と。


 今日、保守系と呼ばれる雜誌乃至言論が頭を擡げつゝある。
 日乘でも度々ふれてきたが、かうした時代の潮流に對して、諸手を擧げて歡迎する能はざる理由は、實に國體觀念が乏しきことである。國體觀念が乏しいといふことは、つまり日本がナニモノであるか不明瞭であるといふことに他ならず、國體論なき國家の改造論は維新とは名ばかりの革命へ繋がりかねぬ危險を孕んでゐるのである。

 軍隊や憲法、延いては國家のあり方が議論される刻下の世情あつて、權利擁護に固執する保守派ではなく、國體闡明に立脚した保守派の擡頭を鶴首待望するものである。

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by sousiu | 2014-07-18 20:48 | その他

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