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ご新造さん 

 「河原日記 三」なのだが、よくゝゝ考へてみれば、既に日乘であるのだから我れながらおかしな題名だ。
 だから、今日のタイトルは「ご新造さん」。
 小生はタイトルを付けるのが苦手なのだ。

 全くテレビなるものを觀ない野生(NHKと、聖教新聞と押賣りの訪問お斷わり)だが、以前、珍しくNHKの大河ドラマ『新選組!』にハマツたことがある。(DVDで觀たので、NHKの訪問は相變はらずお斷わりだ)

 平成十六年、三谷幸喜氏の脚本によるこのドラマでも、清河八郎先生が登場する譯であるが、稀代のペテン師のやうな描かれ方をしてゐる。野生としては不本意だ。
 ■■清河神社↓↓↓
http://www.dewatabi.com/syounai/syounai/kiyokawa.html

 尤も、新選組が主人公であるので仕方がないが、清河先生のみならず、西郷南洲翁も又たどことなく信の置けない人物として演じられてゐた。得てしてこの類ひの物語りでは、勤皇浪士は大なり小なり、荒くれ者か胡散臭く描かれてゐるものが多い。

 このころの時代については多くの作品が出てゐるし、今猶ほ程度の差こそあれ人々の關心を集めてゐる。
 實際、ドラマや小説の素材としては魅力充分の時代である。變異あり、躍動あり、神州の正氣あり、サプライズあり、感動あり、何よりも人物あり、だ。
 さてゝゝ。今後百年乃至百五十年後、果して現在が將來の大河ドラマの材料たり得るか否か。


 ところで餘談であるが、大河ドラマ『新選組!』で、香取慎吾の扮する主役の近藤勇の奥方・近藤つね(田畑智子)は、皆から「ご新造さん」と呼ばれて親しまれてゐる。
 この「ご新造さん」について面白い記事を發見した爲め以下に記したい。

●小川顯道氏『塵塚談』(文化十一年)に曰く、
『我等十四歳の頃御家人二三十俵高の妻女をかみ樣と人皆稱せり。まして商人は富家にてもかみ樣と呼び、子供が親兄へはとゝ樣、かゝ樣、あに樣といひけり。然るに二三年以來、同心渡り用人の類の妻、町人も相應に暮すものゝ妻は御新造樣と稱し、又一日くらしの者の子供も、御とゝ樣、御かゝ樣、御あに樣、御あね樣といふことになり、いはんや富家と淺草札差は心至り、禮儀武家をまねて娘をおじやう樣、妻を御新造樣と稱す。大名の嫡子の室を御新造と稱することを知らずして、僭上無禮なること憎むべし。世の中奢れるより言語までおごりて、實儀は薄く輕薄になれり』と。

 愚案。徳川の世の泰平、正しく崩壞せんとするに當り、人心の動搖抑止す可き方法を失つた。
 それ士農工商の階級秩序は紊亂を究はめ、無能なる役人、武士に對する權威は地に墮ちつゝあつたのだ。言語が人心を寫す鏡たるならば、『塵塚談』に以て當時の世相は如實だ。
 文化の後は文政だ。その後は天保だ。こゝで大飢饉が襲ふ。そして弘化。嘉永にはペルリが來航する。空前の恐慌に次ぐ外壓だ。そのあとは安政だ。而、神州の正氣が愈々溌剌たる時代は發動せられる。
 時代は常に連繋してゐる。個々の人生と同じくまつたく無駄が無い。

 天災に次ぐ人災を迎へ、以て戰後最大の國難に直面した現在の日本。さても天下の一大事。而して國歩よ奈何。




 五月廿四日は、半藏門で諸先生、諸先輩との打ち合はせに出席。
 四十となつた野生も、まだゝゞ小僧だ。苦笑。
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by sousiu | 2011-05-27 13:24 | 小論愚案

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